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氷にこだわってかき氷を選ぶ人が続出。二大人気の純氷と天然氷ってどんなもの?

氷にこだわってかき氷を選ぶ人が続出。二大人気の純氷と天然氷ってどんなもの?
かき氷ブームをきっかけに注目度が高まった天然氷は、多くの高級かき氷で使用されるようになり、毎年心待ちにする人が続出しています。
よく天然氷との比較対象として挙げられる純氷もまた、質の良い氷として多くのお店で使用されています。
そんな2つの氷の特徴と違いについてまとめましたので、かき氷選びの参考にしてみてください。

天然氷とは?

天然氷とは
気温が氷点下を上回る11月下旬あたりから、氷池(山間などの自然豊かな環境下で造った池)と呼ばれる人工の池に良質な山水を引き入れ、約2~3週間かけて自然の寒さを利用することで凍らせて製造した氷です。
毎日手作業によって丁寧に塵などを取り除いていることと、冬になるとマイナス5℃前後という気温になって不純物が押し出されるので、透明度の高い氷に仕上がります。

天然氷の価値。

天然氷の価値
氷が作られるのは冬ですが、多くの人がかき氷を求める夏までの期間は氷室と呼ばれる保管小屋に運び入れ、おが屑などで覆って出荷に備えています。
氷室は昭和初期には100軒以上もあったのですが、冷凍庫の普及によって現在は全国に7軒しかないと言われています。
その為、氷を作れる環境が少なくなりつつあり、現代では限られた地域で、限られた人にしか製造できないということで、非常に希少価値が高いものとなっているのです。
また、氷自体も手間暇かけて丁寧に作られた氷であるという事も、多くの人の心に響いています。

天然氷の特徴と美味しさ。

天然氷とは
日本の天然氷は、伝統的に山水を利用していて軟水から出来ています。
硬度に関わらず、とてもやわらかい味わいが特徴です。
そもそも日本で飲まれている水は一部地域を除いてほとんどが軟水ですので、天然氷は日本人の口に合い、かき氷に使用しても非常に食べやすくて人気なのです。
軟水の中でも、特に天然氷に使われている水は自然の恵みをふんだんに含み、氷になるまでの過程においても不純物を取り除く作業が丁寧に行われていることから、口に入れた瞬間の味は、他の一般的な氷と比べてみても圧倒的にカルキ等の臭みがなく、すっきりとまろやかに感じられるのです。

純氷とは?

純氷とは
清潔な工場で水道水をろ過し、それから殺菌して不純物を排除した後に、原水を容器内でマイナス10℃位に設定して、72時間かけてじっくりと凍らせて製造した氷です。
例えば、家庭用冷凍庫のように急速冷凍する製氷機で作った氷と違って、丹念にろ過しているので気泡や塩素などの不純物が入っていないことから、大きく均一に並んでいる氷の結晶ができ、透明感のある見た目も美しい溶けにくい氷に仕上がります。

純氷の特徴と美味しさ。

純氷の特徴と美味しさ
完全防備で作業場に入るまでに毎回消毒や衛生チェックをしなければいけないという徹底管理のもと、清潔を保たれた環境で製造されているので、衛生面のみで言えば製氷工場で作られる純氷の方が天然氷と比べて安全安心であることは間違いありません。
品質に関しても、機械だけでなく必ず目視でもチェックを行っていて形も均一に整えることが出来ます。
天然氷は外での作業になるため、どうしても衛生的には難しい部分が出てきますので、そこが大きな違いと言えます。
味については、イメージで言えば自然で作られた天然氷は味がまろやかで、製氷工場で作られた純氷は味がすっきりしていると評価されることが多く、さっぱり感がお好きな方におすすめです。

2つを選べるかき氷店。

2つを選べるかき氷店
実は天然氷と純氷、どちらの氷を使ってかき氷を作るのか選べるお店も存在します。
どちらも同じくらい人気で、中には1回目の来店時は天然氷を選択し、2回目は純氷を選択して味の違いを確かめるという方もいらっしゃいます。
迷ってしまった際には、実はメニューによっては天然氷が合うもの、または純氷が合うものがあるので、お店の方におすすめを聞いて選んでみるのも良いでしょう。
濃厚なシロップや甘さのあるものは天然氷を選ぶ方が多く、柑橘系などのシロップでは純氷を選ぶ方が多い傾向があるようですが、どちらも専用の業務用かき氷機を使用して、氷に合わせて削る厚さを微妙に調整しながら作っていくので、どちらの氷でもふわふわ食感を堪能することが可能です。
「かき氷の主役はシロップではなく氷である」と、こだわりを持った方にとても人気のお店だそうなので、興味ある方は是非両方を食べ比べてみてください。

頭がキーンとならない理由。

頭がキーンとならない理由
冷たいものを食べて頭がキーンとする現象のことを、通称「アイスクリーム頭痛」と言います。
「冷たい」という刺激を、脳が「痛い」と感じることが原因の一つとされています。
かき氷は好きだけれど、この頭痛が嫌で食べるのを断念したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、天然氷と純氷はこのアイスクリーム頭痛が起きにくいという点も人気の理由なのです。
水の中にはミネラルや空気といった不純物がある程度含まれていますが、水は水分子同士がかっちりと結合することで氷になるので、その過程である程度不純物を押し出す性質があります。
不純物が残ってしまうと氷が溶けて水になる温度も下がり、通常より溶けやすくなります。
もともと不純物の少ない天然氷や純氷は、凍らせる前に不純物を取り除く工程があるため、水分子同士がかっちり結合して固い氷になります。
その為、氷を削る前にマイナス10℃からマイナス4℃くらいまで、少し温めてから削り始めることが可能です。
固い氷はとても細かく削る事ができ、削って盛りつける際に空気が含まれるため、いわゆる“ふわふわ”なかき氷が出来ます。
さらに、削りが細かと氷の表面積も多くなるので、舌に触れる面積が増えて口の中で溶けるスピードも速くなり、口溶けや食感も良いと評価されるのです。
一方で家庭用冷凍庫のように急速に凍らせた人工氷は、不純物が天然氷や純氷よりも多いため、マイナス10℃くらいで段々と溶け始めてしまうため、そのままの温度でしか氷を削ることができません。
削りが粗く温度も低い人工氷のかき氷は、冷たさの刺激を受けやすくなるため、頭痛が起きやすくなります。
これらの理由から、天然氷と純氷のかき氷は、「削る時の温度が高い」+「溶けるスピードが速い」=「冷たさの刺激を受け取る時間が短くなる」=頭痛がしにくい・・・ということになるのです。

天然氷と純氷どちらが人気?

天然氷と純氷どちらが人気
近年どちらの人気も高く、シロップやソースの味を純粋に楽しみたい方は純氷、シロップやソースと合わさった氷とのハーモニーを楽しみたい方は天然氷が合っていると言えます。
しかし、“天然氷を使用しています”と謳って集客しているお店が多いことや、高級路線のお店で使われる氷は天然氷が多いことから、天然氷人気の方が上回っていると思われます。
某人気かき氷店では遠方からでも何度も足を運んできてくれるリピーターさんが多いようで、天然氷のブランド力はかなり高いです。

天然氷と純氷の値段の差。

天然氷と純氷の値段の差

天然氷の方が、限られた地域でした製造できない事情によって希少価値が高いことや、製造過程での手間が多く、純氷のように大量生産が難しいことから、純氷と比べて3~4倍ほど金額が高くなります。
そのため、かき氷の値段も天然氷を使用しているものの方が高い傾向にあります。

天然氷と純氷の比較は今後もかき氷ファンの中で続いていきそうですが、どちらもそれぞれの良さが詰まっているので、まだ食べたことが無いという方には、是非とも両方食べてお好みの氷を見つけていただければと思います。